作業環境測定室

三重大学の作業環境測定

  技術部では、大学の法人化以降、以下に示す物質において、全学の技術支援として、自社測定の原則で作業環境測定を行っています。なお、この作業環境測定は、全学組織として作業環境測定室としても設置されています。

  • 有機化合物、特定化学物質、金属類、粉じん:年2回
  • 放射性物質:毎月

  大学での作業環境測定のメリットは、実験室・研究室が安全で快適となり、学生・教職員は、健康で安心して働けることになります。つまり、研究・労働意欲が向上し、教育・研究の向上につながります。

作業環境測定とは

  研究・実験・実習室などの作業環境下においては、有害な因子が存在する場合が数多くあります。その有害な因子がある一定上の濃度等になれば、人体にも影響を受けることがあります。その場合、それを除去するか、低減させるか、低減させることができない場合には、保護機器、保護具などの手段を利用することによって、その有害な因子による健康障害を未然に防止することが必要です。作業環境中に存在することがある有害な因子としては、普段、研究・実験・実習等で使用している有機溶剤、特定化学物質、金属類、粉じん、電離放射線などがあります。

  作業環境管理を進めるためには、作業環境中にこれらの有害な因子がどの程度存在し、研究・実験・実習等を行う教職員・学生がこれらの有害な因子にどの程度さらされているのかを、在室する方々から使用している有害な因子の使用状況などの情報を収集し、有害な因子をサンプリングし、分析測定して、その濃度等の測定結果を大学の構成員に知って頂けなければいけません。

  作業環境測定とは、簡易に言えば、このような有害な因子が存在する作業環境下において、情報収集、サンプリング、分析測定、結果報告、ある一定の以上の濃度等であれば、その対策案などを提案することを作業環境測定といいます。

対象箇所(約120室)

  有機溶剤:約110室、特定化学物質:約90室、金属類:約5室、粉じん:約5室、放射性物質:3施設

主な対象物質

  月に1回以上、連続して6ヶ月使用している物質に限ります(但し、放射線物質は除きます)。

  • 有機溶剤(15種類程度)
  • アセトン、イソプロピルアルコール、エチルエーテル、キシレン、ノルマルヘキサン、メタノール、酢酸エチル、1-ブタノール、NN-ジメチルホルムアミド、トルエン、など

  • 特定化学物質(15種類程度)
  • アクリルアミド、ホルムアルデヒド、クロロホルム、ジクロルメタン、1・4-ジオキサン、エチレンオキシド、フッ化水素、ベンゼン、など

  • 金属類(2種類)
  • マンガン、ニッケル

  • 粉じん(1種類)
  • 金属研磨

  • 放射線物質
  • 3H(β)、14C(β)、 32P(β) 、131I(β、γ)、51Cr(γ)、125I(γ)、18F(γ)、65Zn(γ)、など

主なサンプリング方法

直接捕集

ろ過捕集

 

検知管捕集

液体捕集

主な分析装置

ガスクロマトグラフ島津製作所
GC-2014/ECD-2014
検出器:FID,FTD,ECD

原子吸光光度計
島津製作所製
AA-6300

紫外可視分光光度計
島津製作所製
UV-1650PC

 

液体シンチレーション

γ線測定装置

β線測定装置

結果の報告

  測定結果は、作業環境測定報告書を作成し、測定結果、管理区分、所見などを記載しています。また、測定結果は、全学の安全衛生委員会で報告されています。

  • 第1管理区分
  •   ほとんどの測定点(95%まで)で、管理濃度未満であり、作業環境管理は適切です。この作業場は規制緩和の対象となります。

  • 第2管理区分
  •   平均は管理濃度を超えない状態です。良好ではないが、危険でもない、という意味です。今後も、点検・改善の努力が必要です。

  • 第3管理区分
  •   平均が管理濃度を超え、B測定値が管理濃度の1.5 倍以上で、作業環境管理は適切でない、という危険な状態です。点検・改善を実施し、その効果を確認する必要があります。防毒マスクなどの保護具の使用や、健康診断の実施も考慮します。